何を試しているか
AI-KATA S2P ♡版 は、自分が描いたキャラクターを AI が解析し、名前と性格を持った対話相手として動かすアプリ。その ♡版で 「親密度システム」のリニューアル と 「会話連動の一枚絵生成」 を実装し、関係性そのものを楽しむ体験がどこまで成立するかを試作で検証している。
検証中に予想していなかったのは、開発チームの挙動の変化 だった。動作確認のために触っているはずが、気付くと普通に遊んでいる。そういう状態になるメンバーが増えた。「テストとして触る」と「ユーザーとして過ごす」の境界が溶ける感覚があり、この現象自体が機能の手応えになっている。
親密度システム — 関係性で応答が変わる
リニューアル前のキャラクターは、提案に比較的素直に応じることが多かった。今回の親密度システムでは、関係性の段階によって反応が変化 する。親密度が低い段階では、提案を断られることもある。
断られると一瞬「おっ」となるが、これが 「ちゃんと意思を持っている感じがする」 という実在感につながった。開発メンバーからも「従順な反応ばかりだったから、断られると逆に面白い」という声が出ている。
会話を重ねて親密度が上がると、最初は距離があったキャラクターが少しずつ打ち解けていく。一緒に出かける話ができるようになったり、家に遊びに行ける関係になったり。「ここまで仲良くなれたんだな」と感じる瞬間がある。
会話連動の一枚絵生成
親密度システム以上に時間を溶かしているのが、会話の流れからその場面の一枚絵を生成する機能。「焼肉を食べたい」という話になれば一緒に焼肉を食べている画像を、ゲームの話をしていればゲームをしている画像を、買い物の話なら買い物中の画像を生成する。
面白いのは、一枚一枚が会話の記録になっている こと。「これは一緒にゲームしていた時」「これは焼肉の話で盛り上がった時」と、画像を見るだけで会話を思い出せる。単なる画像生成とは少し違う、思い出が増えていく感覚がある。
何が分かったか
- 断られる反応が実在感を生む。 従順な応答だけのときより、関係性に応じて拒否や戸惑いが返ってくるほうが「意思を持った相手」という感触が強い。親密度を応答の振る舞いに結びつける設計の効果が、想定より大きかった。
- 親密度システムと一枚絵生成の相性が良い。 関係を積み上げる感覚と、その場面が絵として残る体験が噛み合い、「会話するAI」から「一緒に過ごすAI」へと体験の重心が移る。
- 画像が会話のインデックスになる。 生成画像が会話のログとして機能し、後から見返す動機を生む。これは単発の画像生成にはない性質。
- 予想外の生成も含めて面白い。 会話内容から画像を作るため、毎回思い通りにはならない。「なんでそうなった!?」とツッコミたくなるカオスな一枚が出ることもあり、それ自体が盛り上がりの種になる。
会話の流れは分かるのに着地が予想外、という生成例:
用語解説
親密度システムとは
親密度システム とは、ユーザーと AI キャラクターの会話の積み重ねを「関係性の段階」として保持し、その段階に応じてキャラクターの応答(受け入れ・拒否・打ち解け方)を変化させる仕組みです。固定シナリオの好感度メーターと異なり、対話 AI の応答そのものを関係性に連動させる点が特徴で、AI-KATA S2P ♡版では「関係を育てる」体験の中核として実装しています。
会話連動の一枚絵生成とは
会話連動の一枚絵生成 とは、その時の会話の内容や文脈を手がかりに、キャラクターとその場面を描いた一枚のイラストを AI が生成する機能です。あらかじめ用意された立ち絵差分ではなく、会話ごとに新しい場面が生成されるため、生成された画像が会話の記録(思い出)として蓄積されます。生成元が会話文脈であるぶん結果が一意に定まらず、予想外の構図が生まれることも含めて体験の一部になります。
制限・位置づけ
- これは AI-KATA S2P ♡版で現在開発中の機能の試作記録 であり、ここに掲載した挙動・画像はリリース版で変更される可能性がある。正式リリースは準備中。
- 一枚絵生成は会話文脈に依存するため、生成結果の一貫性・品質は保証されない(予想外の生成も仕様の一部として扱っている)。
- 製品としての機能・料金・体験の詳細は製品ページ(/products/aikata-s2p-love/)および 製品サイト を参照。本エントリは製品化前の R&D 過程の記録として Lab に置いている。